車検のステッカーは貼らないと次回車検満了日がわからないことに加え、警察の取り締まりをうけた際には罰則となる可能性があります。
しかし、車検後にステッカーが郵送されてきたけど「貼る位置がわからない」や「貼っていない車もいるけど自分も貼らないといけない?」と思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、車検を受けた後に貰えるステッカーは貼らないといけないのかについて、基本情報や罰則について徹底解説していきます。
また、紛失してしまった場合の再発行の手続きや、シールの貼り方と剥がし方についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
車検ステッカーを貼らないと取り締まりの対象
結論として、車検ステッカーは規定により、車の定められた位置へ貼らないと違反になってしまいます。
※道路運送車両法第66条:自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を
表示しなければ、運行の用に供してはならない。
引用:国土交通省 検査標章の現状について
車検満了日を示しているステッカーは、車の所定の位置に貼りつけることで、無車検運行の防止を図る目的で定められています。
また、道路運送車両法第98条においては、偽変造や不正使用が禁止されています。
※道路運送車両法第98条:何人も、行使の目的をもつて、自動車登録番号標、臨時運行許可番号標、回送運行許可番
号標、臨時検査合格標章、検査標章若しくは保安基準適合標章を偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造に係るこれらの物を使用してはならない。
引用:国土交通省 検査標章の現状について
車検を整備工場やディーラーに依頼した場合、ステッカーは車検終了後に郵送もしくは手渡しされます。
自分で貼らないといけない場合は、貼り忘れることなく所定の位置へ貼りましょう。
ユーザー車検で陸運局や軽自動車協会へ車を持ち込み自分で車検した場合は、窓口で車検証と一緒にステッカーが交付されます。
車検を受ける方法によって、車検証やステッカーの交付先が異なるため、「どこで」「誰から」もらえるのかを事前に確認しておくと安心です。
車検ステッカー(シール)の4つの基本情報
車検ステッカーについて、4つの基本情報を解説します。
正しい知識を理解することで、どの位置にシールを張り付けるのかや、どのような役割なのかを把握できます。
- シールはどのようなもの?
- 貼る位置を解説
- 記載してある数字の見方を紹介
- 軽自動車と普通車のシールについて
各項目1つずつ解説するので、ぜひご参考ください。
シールはどのようなもの?
車検ステッカーは、自動車が車検を受けたことを示す重要なシールです。
シールは通常、フロントガラスに貼ることで、外部から車検が有効であることを確認できるようになっています。
車の所有者や使用者およびドライバーに対して法的に定められている事なので、貼り付けしない場合は罰則の対象となる可能性もあるため注意が必要です。
デザインは偽造防止のために特殊な印刷技術が用いられており、簡単に真似できないようになっています。
車検ステッカーは、車検を受けた際に交付され、一般的にはその場で貼り付けされます。
このように、車検ステッカーは単なるシールではなく、自動車の法的状態を示す重要な情報ツールなのです。
車のどこに貼る?位置を解説
車検ステッカーを貼る位置は、2023年7月より「前方かつ運転席から見やすい位置」に変更となりました。
具体的には、右ハンドルの車であれば、車内から前方のガラスを見て右上となります。
一方で、車種やガラスの形状によっては、右上でも若干の貼り付け位置の調整が必要な場合があります。
例えば、カーナビにおける受信アンテナは、フロントガラスの左上や右上に貼り付けられているケースが一般的です。
ガラス形状や受信アンテナなど、フロントガラスの状況に合わせて、貼る位置を上下左右に調節しましょう。
車検ステッカーは単なる義務ではなく、車検時期を忘れないために、正しい位置に貼り付けするよう心がけましょう。
記載してある数字の見方を紹介
車検ステッカーには、有効期限を示す重要な情報が裏表の両面に記載されています。
確認位置 | 記載情報 |
---|---|
車内側 | 年月日 |
車の外側 | 年月 |
車内と車外では確認できる情報量に違いがあり、車検ステッカーの年数は和暦で記載されています。
より正確な車検満了時期を知りたい場合は、車内側から確認しましょう。
軽自動車と普通車のシールについて
軽自動車と普通車のシールはどちらも水色で作られています。
それぞれステッカーに関しての歴史は以下の通りです。
年数 | 車検ステッカーの形状 |
---|---|
2017年1月以降 | 透明な余白が少なくなり印字スペースの増加 視認性が高まる 軽自動車と普通車でステッカーの色が異なる |
2024年1月 | 車検証の電子化により軽自動車と普通車どちらも水色の車検ステッカーに統一 |
2023年12月以前は普通車用が水色、軽自動車用が黄色と、それぞれ色分けされていました。
2024年1月4日より、軽自動車も電子車検証の交付が始まったことから、軽自動車のシールも水色に統一されています。
そのため、2024年1月4日からは普通車と軽自動車どちらも同じシールを使用します。
2024年1月からは軽自動車も普通自動車と同じデザインのシールになったため、印字部分が4センチ四方の外枠無しデザインに変わりました。
新ステッカーは、外枠がないため視認性がより向上しています。
車検ステッカーの目的!なぜ貼る位置が変更になった?
国土交通省では、無車検運行防止の観点から、車検ステッカーの位置を変更しました。
平成29年3月の国土交通省 自動車局整備課の資料では、無車検運行の注意喚起ハガキを平成29年1月に約57,000通送付しています。
また、ナンバー読取装置による無車検車両実態調査結果、無車検運行の車両が多くいることが分かっているのです。
さまざまな地域にて、ナンバー読取装置による調査結果の一部は以下の通りです。
調査年度 | 無車検割合 | 無車検台数 |
---|---|---|
平成28年度調査結果 | 0.27% | 1,083台 |
平成27年度調査結果 | 0.22% | 486台 |
平成26年度調査結果 | 0.29% | 835台 |
参考:国土交通省 ナンバー読取装置による無車検車両実態調査結果
上記調査結果は、国内一部の道路でナンバー読取装置を活用した無車検車両の実態調査の結果です。
割合で見ると少なく見えますが、台数を見ると無車検で走行している車両が多く存在していることがわかります。
日本における一部の道路でこれだけの数値なので、全国で見ると無車検走行はかなり多いことが予想できるでしょう。
国土交通省は、車検ステッカーの貼る位置を変更することで、無車検走行という危険を警察と連携し排除しようとしている背景があります。
そのため、車検ステッカーを貼らないという選択をしないことや、貼り忘れがないように心がけましょう。
車検ステッカーを貼らない!?取り締まりにおける罰則やリスク
車を走行する際に、車検ステッカーを貼っていないと違反です。
貼ってない車が警察に取り締まられたら、どのような罰則やリスクがあるのでしょうか。
ここからは、以下3つの項目に沿って解説していきます。
- 貼らない罰則:違反となり罰金を科せられる恐れがある
- 貼らないリスク:車検切れとなる可能性がある
- 貼らないリスク:メンテナンスや修理入庫を断られる可能性がある
車検ステッカーは単なる一般的なシールなどではなく、自動車の安全性や法令遵守を示す重要な証明として使われます。
シールを貼ってない車の罰則やリスクについて紹介していくので、違反とならないようにご参考ください。
貼らない罰則:違反となり罰金を科せられる恐れがある
罰則の可能性1つ目は、高額な罰金を科せられる恐れがあることです。
理由として、道路運送車両法第66条により、車検ステッカーの車内への貼り付けが法律で決められているからです。
車検ステッカーが貼っていない車を走行した場合、以下のとおり50万円以下の罰金が科される恐れがあります。
「車検が終わった後にステッカーをもらったが貼らない」という人は、車を使用する前に必ず貼り付けましょう。
貼らないリスク:車検切れとなる可能性がある
貼らないリスクとして、車検の有効期限を簡単に確認できなくなることから、車検切れとなる可能性があります。
貨物車は1年に1回ですが、自家用乗用車の車検は、2年に1回なので、忘れてしまう方もいることでしょう。
ステッカーがドライバーから見える位置に貼り付けてあれば、運転の都度いつが車検の有効期限なのかを確認できます。
車検が切れてしまうことは問題ありませんが、車検切れの車を使用することは大きな問題です。
車検ステッカーを貼らないと、車検切れのリスクが大きくなるため、貼り付けるようにしましょう。
貼らないリスク:メンテナンスや修理入庫を断られる可能性がある
ステッカーが貼り付けられていないと保冷遵守していないことから、整備工場でメンテナンスや修理入庫を断られる可能性があります。
ディーラーでは、車検に不適合の車が入庫拒否されることは良くある話です。
車検ステッカーについても、同様の扱いをされる可能性は高いでしょう。
入庫を断られるか否かは、整備工場やディーラーなどの方針によって異なります。
「入庫拒否されて嫌な思いをした」となる前に、車検ステッカーを所定の場所へ貼り付けておきましょう。
車検ステッカーを紛失や汚損・毀損した場合の再発行方法
車検ステッカーを紛失や汚損・毀損した場合、再発行が可能です。
ステッカーは粘着力が強いため一度貼ってしまうと貼り直しができないことから再利用ができません。
そのため、車検ステッカーを貼りたくても貼れないという方もいるのではないでしょうか。
ここからは、以下の項目に沿って解説していきます。
- 申請を行う場所
- 車検シールの再発行申請に必要なもの
2つの項目について詳しく解説するので、ご参考いただきスムーズに再発行できるようにしましょう。
再交付申請を行う場所
車検ステッカーを紛失や汚損・毀損してしまった場合は、最寄の運輸支局や自動車検査登録事務所、または軽自動車検査協会で再発行が可能です。
【再発行申請する場所】
- 普通自動車:最寄りの運輸支局/自動車検査登録事務所
- 軽自動車:最寄りの軽自動車検査協会
※管轄の機関でなくても再発行可能
最寄りの運輸支局や自動車検査登録事務所・軽自動車検査協会で、車検ステッカーの再発行が可能です。
引っ越したことにより、ナンバーの管轄が済んでいる地域と違う場合でも、最寄りの機関で再発行を行ってもらえます。
自宅から近い運輸支局や自動車検査登録事務所・軽自動車検査協会を検索してみましょう。
シールの再発行申請に必要なもの
車検シールの再発行申請に必要なものは、普通自動車と軽自動車で異なります。
自動車の種類 | 必要書類 |
---|---|
普通自動車 | ・申請書 運輸支局又は自動車検査登録事務所の窓口で配付 運輸支局公式サイトからダウンロードも可能 OCRシート申請様式 第3号様式 ・理由書 遺失等の理由を記入していること 車検証における使用者の記名が必要 ・手数料納付書 自動車検査登録印紙300円を貼り付けが必要 納付書は、窓口にて配付 ・自動車検査証 ・使用者の委任状 申請書に車検証に記載されている使用者の記名があれば不要 |
軽自動車 | ・車検証 ・検査標章 毀損などで提出できる場合 ・検査標章再交付申請書(軽第3号様式) 軽自動車協会事務所・支所の窓口等で入手可能 軽自動車協会サイトからもダウンロードおよび印刷可能 ・申請依頼書 車検証の使用者以外が手続きする場合 |
車検ステッカーの再交付には、軽自動車と普通車によって異なる、多くの書類が必要です。
車検証を準備しておけば、その他必要書類は運輸支局や軽自動車協会で配布しているため、現地で確認しながら進めることも可能です。
再発行の流れがわからない場合は、車検証を持って現地の総合案内などで相談しながら再発行手続きを行いましょう。
2月や3月、8月や9月など、車検が多い時期は混み合っている傾向にあるので、時間には余裕をもって手続きに向かうことがおすすめです。
繁忙期は所要時間は1日見ておいた方がいいでしょう。
車検ステッカー以外にフロントガラスに貼るシール
フロントガラスへ所定のステッカーやシールしか貼ってはいけません。
車検ステッカー以外に貼り付けるシール類は以下の通りです。
- 定期点検標章のシール
- シールの代わりとなる保安基準適合標章
各シールの役割を理解し、自分が所有している車には、「定期点検標章」や「保安基準適合標章」以外貼り付けないようにしましょう。
定期点検標章のシール
車検ステッカー以外には、定期点検を受けた証明となる丸い標章を貼り付けます。
定期点検標章は、自動車の法定点検が行われたことを証明するための丸いシールです。
フロントガラス左上に貼ってあり、次回12か月点検や24か月点検といった法定点検時期が外からも確認できます。
車検ステッカーは右上、定期点検標章シールは左上と理解しておきましょう。
定期点検標章シールに記載されている点検時期は、車の所有者としては点検を依頼する義務があります。
怠っても罰則はありませんが、期限が過ぎた定期点検標章シールは剥がす必要があるので注意しましょう。
罰則はないものの、車の安全を確保するために、定期点検標章シールの期日までに、法定点検を受けることがおすすめです。
シールの代わりとなる保安基準適合標章
保安基準適合標章は、民間指定工場などで車検実施してから、車検証やステッカーが発行されるまでの間、一時的に使用されるものです。
フロントガラスに貼り付けておく標章で、記載してある期間は車検証を携帯していなくても問題ありません。
有効期限は発行されてから15日間となっており、期限内に車検証を車内に保管することや車検ステッカーを貼りつける必要があります。
ディーラーや民間指定工場で車検を通した場合は、保安基準適合標章を発行される傾向です。
ユーザー車検で陸運支局に持ち込んだ場合は、その場で車検証とステッカーを貰えるため、保管基準適合標章は発行されません。
車検ステッカーの失敗しにくい貼り方やガラスを傷つけない剥がし方
車検ステッカーを綺麗に貼ったり剥がしたりする方法を紹介します。
車の車検を受けた後、自宅に車検証と車検ステッカーが送付されたとき、貼り方を熟知しておくことで戸惑うことなく貼り付けられるでしょう。
また、車検を民間指定工場に依頼すると、検査員によってステッカーを剥がしてもらえますが、ユーザー車検の場合は自分で剥がす必要があります。
期限の過ぎた保管基準適合標章も同様の方法で剥がせるため、自分でステッカーを剥がす際は応用が可能です。
貼り方や剥がし方を把握し、戸惑うことなく自分で解説できるように役立ててください。
失敗しない!ステッカーを綺麗に貼る方法
車検ステッカーの貼り方は、以下の4ステップです。
手元に車検ステッカーをご用意いただくとより分かりやすいです。
ミシン目が付いているため、ミシンAまで剥がします。
台紙のミシンBを谷折りにします。
台紙を引っ張ると青シールが綺麗に剥がれます。
右ハンドルであれば、右上かつアンテナなどと被らない場所を選択
車検ステッカーの台紙裏側にも貼り付け方が記載されています。
ガラスを傷つけない!ステッカーを剥がす方法
車検ステッカーは粘着力が強いため、一度で綺麗に剥がすことは難しいでしょう。
しかし、道具を活用することで剥がした後のフロントガラスを綺麗にできます。
- スクレーパー
- 中性洗剤やシール剥がし剤
スクレーパーは薄いヘラ状の刃と持ち手からなる道具です。
フロントガラスに対して斜めに当て、前後させることで粘着剤を綺麗に剥がせます。
力を入れてしまうとフロントガラスに傷が入る恐れがあるため注意が必要です。
また、中性洗剤やシール剥がし剤でも、粘着剤は綺麗に落とせます。
クロスやタオルに中性洗剤と水を希釈した液体や、シール剥がし剤を塗布し粘着剤に対して擦っていると次第に綺麗になっていきます。
剥がす際は一度で綺麗に剥がすのではなく、ステッカーを剥がしてから粘着剤を綺麗にするイメージを持ちましょう。
まとめ
車検ステッカーの目的や疑問・基本情報を詳しく解説しました。
結論、車検ステッカーは、車の定められた場所に貼らないと取り締まりの対象です。
目的としては、車検の有効期限を見やすいようにすることで、無車検走行を排除することです。
そのため、取り締まりを受け貼ってないことが判明した場合は、罰則となってしまうリスクがあります。
また、ディーラーや民間指定工場からステッカーを貰ったものの、貼り付けを上手くできずに困っている方もいることでしょう。
本記事で紹介した、ステッカーを綺麗に貼り付ける方法をご参考ください。
貼り付けが上手くできず、シールが使用不可となってしまったら、再発行が可能なので安心してください。
車検ステッカーについて正しく理解し、法令に従って車を利用しましょう。
車検を依頼する場所を迷っている方はセイビー(seibii)に相談を!
車検どこに依頼するか迷っている方は、セイビーでプロの整備士に相談がおすすめです。
セイビ―の特徴は以下の通りです。
- 自宅まで出張してもらえるサービス
- プロの整備士によるメンテナンスで安心
- 予算や使用環境に合わせた車検を受けられる
- 予約はスマホで完結させられる
- 車検が切れていても柔軟に対応してもらえる
- 利用者の満足度が高い
セイビ―では、自宅に居ながら車検を済ませてもらえるため、自分で車を民間指定工場に持って行く必要がありません。
ステッカーの受け渡しや貼り付けについて不安がある方は、車検を受ける前に事前に相談が可能です。
ディーラーや民間指定工場では自分で貼り付けなければいけないステッカーも、セイビーなら任せられる可能性もあります。
セイビ―で車検見積もりを依頼し、車検ステッカーの取り扱いについても確認してみましょう。
\ 自宅に居ながら車検をしたい方 /
セイビーについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。